プレアヴィヒア遺跡は、カンボジアとタイの国境に位置する壮大なヒンドゥー教寺院で、クメール王朝時代の遺跡です。その美しい建築と戦略的な場所から、カンボジアの主要な歴史的・観光的スポットの一つとなっています。以下に、プレアヴィヒア遺跡の歴史、見どころ、アクセス方法などを詳しく紹介します。
1.歴史的背景
遺跡名 | プレアヴィヒア・Preah Vihear |
宗教 | ヒンドゥー教(シヴァ神) |
時代 | 9世紀末~12世紀 |
治世 | ヤショーヴァルマン1世・スールヤヴァルマン1世・スールヤヴァルマン2世 |
世界遺産 | 2008年 |
見学時間 | 1時間30分 |
面会時間 | 7時から16時まで |
入場料 | US$10 |
その他 |
山に上がる為に、ピックアップドラック1台6名乗り$25、 バイクタクシー1台1人乗り$5 |
住所 | プレアヴィヒア州 |
オススメ時期 | 11月、12月、1月、2月、3月 |
• 建設時期
プレアヴィヒア遺跡は、9世紀から12世紀にかけて、クメール王朝の複数の王によって段階的に建設されました。特に、11世紀のスーリヤヴァルマン1世とスーリヤヴァルマン2世の時代に大規模な拡張が行われ、アンコールワットとも関係の深い建築様式が見られます。
•宗教的役割
プレアヴィヒア寺院は、ヒンドゥー教の神シヴァに捧げられており、山の上に位置することからも、シヴァ神が住むとされる聖なる山「カイラス山」を象徴していると考えられています。この寺院は、クメール王朝の宗教的な中心地としての重要な役割を果たしていました。
•歴史的争い
プレアヴィヒア遺跡は、その戦略的な立地から長年、カンボジアとタイの間で領有権を巡る争いが続いていました。1962年、国際司法裁判所(ICJ)の裁定により、遺跡はカンボジア領と認められましたが、その後も紛争が続いていました。現在は、比較的安定しており、観光が再開されています。
•世界遺産登録
2008年、プレアヴィヒア寺院はユネスコの世界遺産に登録されました。山の上にそびえる寺院は、その美しい景観と歴史的価値により、世界中から注目を集めています。
2. 遺跡の見どころ
• 立地と景観
プレアヴィヒア寺院は、カンボジア北部の山頂に位置し、標高約625メートルの断崖からはカンボジアとタイの広大な平野を一望することができます。寺院からの壮大なパノラマビューは、観光客にとって大きな魅力の一つです。
• 境内の構造
寺院は5つの階層に分かれており、中央祠堂に向かって緩やかに上がっていくように設計されています。各階層には門(ゴープラ)があり、これらの門をくぐりながら、次第に中央の神殿へと近づいていく形式が特徴的です。特に、第三門(Gopura III)のレリーフや彫刻は、クメール芸術の見どころの一つです。
•石彫りのレリーフ
寺院の壁や門には、ヒンドゥー教の神話に基づく美しい石彫りのレリーフが数多く残されています。シヴァ神やヴィシュヌ神、その他の神々が描かれた彫刻は、クメール芸術の傑作として知られています。
• ナーガのモチーフ
クメール建築の象徴である「ナーガ(蛇)」のモチーフも多く見られます。ナーガは、水や豊穣を象徴し、寺院の入り口や階段にその姿が刻まれています。
• 中央祠堂(Sanctuary)
寺院の中心となる祠堂は、シヴァ神が祀られていた場所であり、宗教儀式が行われていた神聖な場所です。ここまで到達すると、寺院の壮大さと古代のクメール人の信仰の深さを感じることができます。
3.アクセス方法
• 場所
プレアヴィヒア寺院は、カンボジア北部のプレアヴィヒア州に位置しています。最寄りの町はシェムリアップですが、遺跡までの移動にはかなりの時間がかかります。
・移動手段
シェムリアップから車で約3時間半ほどかかります。バスやタクシーを利用することが一般的ですが、プレアヴィヒアのふもとまでは未舗装の道が続くため、道中は揺れることがあるかもしれません。
遺跡の入り口からは、専用の4WD車で山頂まで登ることが可能です。地元の運転手によるガイド付きの送迎サービスが一般的です。
丸一日でプレアヴィヒア遺跡とコーケー遺跡とベンメリア遺跡のシェムリアップ町から日帰りツアーは可能です。
4.訪問の注意点
•天候と服装
プレアヴィヒアは標高が高いため、特に乾季(11月〜4月)の朝や夕方は冷えることがあります。軽いジャケットや長袖を持参することをお勧めします。雨季には道がぬかるむこともあるので、滑りにくい靴を着用するとよいでしょう。
・国境問題の背景
遺跡がカンボジアとタイの国境に近いため、政治的な情勢によっては訪問が制限されることがあります。事前に最新の情報を確認しておくと安心です。
5.まとめ
プレアヴィヒア遺跡は、クメール王朝時代の壮大な建築技術を象徴する遺産であり、険しい山頂にそびえる寺院からの絶景は訪れる価値があります。また、カンボジアとタイの歴史的な緊張を背景に持つ遺跡でもあり、その歴史的な重要性と自然美が観光客に深い印象を残す場所です。
プレアヴィヒア遺跡へ行くルート:
シェムリアップ市内を出発する際、混雑具合にもよりますが、プレアヴィヒア遺跡への観光を1日(約9時間)で楽しむことが可能です。また、シェムリアップ新空港からの出発もご利用いただけます。午前中に到着する便の場合、空港から直接プレアヴィヒア遺跡を訪れ、その後、他の遺跡やシェムリアップ市内、またはホテルに立ち寄るルートもご用意しております。観光終了後には空港へお送りするツアーもございますので、お申し込み時にフライト時間をお知らせください。
以下に、プレアヴィヒア遺跡のツアールートと他の人気遺跡との組み合わせのルートをおすすめいたします。
P2:プレアヴィヒア遺跡 + バンテアイスレイ遺跡 の1日ツアー
P3:プレアヴィヒア遺跡 +バンテアイスレイ遺跡 +コーケー遺跡 の1日ツアー
P4(S4):プレアヴィヒア遺跡 + ベンメリア遺跡 の1日ツアー
P5(S5):プレアヴィヒア遺跡 + コーケー遺跡 の1日ツアー
P6(S6):プレアヴィヒア遺跡 + コーケー遺跡+ベンメリア遺跡 の1日ツアー
P10:シェムリアップ市内を出発しプレアヴィヒア州に一泊周遊で5ヶ所の人気な郊外遺跡を巡り2日間ツアー
(ベンメリア、コーケー、プレアヴィヒア、大プレアカン、サンボー・プレー・クック)